皆さん、こんにちは
今年2023年7月に「本屋カフェNautilus」が「オンライン書店Nautilus」になって以来、戸惑いったままに頭が回らなくなっちゃったフランス人書店員ジャンマリー・プルドンと申します。
この新しいコラム【フランス人書店員の気まぐれ通信】では、書店のことを始め、出版業界、文学作品とその作者たち、そして日本とフランスの書籍の現状について幅広く浅く書いていきたいと思います。
紹介から「浅い」というと悪い印象を与えるかも知れませんが、このコラムの執筆を積みかねていくことによって、あらゆる課題をコツコツと探っていくことで「深さ」も時期に現れるでしょう。
所々に日本語が可笑しくなってしまうかも知れませんが、ぜひ温かい目でお読みください。
宜しくお願いします!
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〜日本語訳について気付いたこと〜
本屋カフェNautilusを運営していた時に、日本人の読者たちと一緒にフランス文学についてお話したら、「フランス文学は難しい」という声が少なくなかったです。その理由を詳しく聞いてみると、馴染みのない話の設定(場所・人物の名前・歴史背景など)に限らずに、「言葉が難しい」と述べた方も居ました。その「言葉」というのは、原作の「フランス語」ではなく、訳の目的語である「日本語」のことでした。言えかえれば、邦訳の言葉が読み辛らくて解り難いと感じていた読者も居ましたということです。
実は古典作品は母語の話し手にとっても解かり難くなってしまうことは珍しいことではありません。例えば、世界中に多くの読者に愛されている『星の王子さま』(仏:Le Petit Prince)はフランス語を母国語としている今の子供達にとっては解り難い言葉や言い回しがあります。数年前にフランスのあるラジオ番組で驚いて聞いた発言は「こんにち古典作品となった『星の王子さま』は原作のフランス語より、最近の外国語訳の方が読み易くなっているかも知れません」と、、、なるほど!でも外国で訳されている本は、必ずしもその国の人たちにとって読み易くなるとは限りません。
そこで、訳された本の読書に不快な思いをした読者たちのことを改めて考えたら、邦訳が読み辛くなることについて考えられる原因を2つ思いつきました。
1つ目は、翻訳者が原文を訳した時に選んだ流儀によって、古典の原作の雰囲気をそのまま読者達が楽しめる為に、意図して適当な日本語の言葉や言い回しを選びました。
2つ目は、日本語もフランス語と同様に時代とともに進化していくものですから、ある時代の訳で用いられている言葉も年月を重ねて古くなってしまいます。
もちろん読者の中では、語学力のある者とそうではない者も居るし、違う世代の異なった言葉遣いによって語学力も左右されるでしょう。ですから、前述の2つの原因では訳が皆の読者にとって必ず読み辛くなるわけではありません。ただ、僕が読者たちとしたお話を切っ掛けに、翻訳される文学作品が出来るだけ多くの読者に届けるように、読み易い言葉の翻訳の方が良いのではないかと思いました。
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この初回のコラムを読み返すと、ただ「翻訳は簡単な言葉であるべき」という意味で誤って捕らえてしまうかも知れません。ですが、「簡単」は「単純」と違います。「簡単」な言葉を使って、「奥深い」思想を解り易く伝えるのは、決して簡単なことではありません。でもその話はまたの機会に!
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